シュタインズ・ゲート ゼロ
アニメで放映されるというので。シュタゲってゲームならではだよねと思ってPS4版やった。
結論から言うとゲームならでは感が薄かったので多分アニメで大丈夫。
ゼロじゃない方のシュタゲで、最後に飛べなかった岡部の話。
前作のバッドエンドスタートなので基本的に世界が暗い。すーぐ戦争が始まるし人が死ぬし主人公はぼんやりしてるし電脳牧瀬といちゃこらして世界ヤバい性すごい。ディストピアファン垂涎。
新しいヒロイン、髪ぼさぼさだし茶目っ気薄くて大丈夫かよ…と思ってたけど大丈夫だった。
伏線ばらまきまくるんだけど、前作と違って回収がザル。終わっても話の流れに納得感あんまりねえ。
途中ガバガバENDがいくつか入ってるから残念。拳銃向けてんのにすーぐ奪い返されたり、数十人の特殊部隊相手に一人で無双しちゃったりする。さすがに無理やろ。
無限遠点のアルタイルは良かった。
とはいえ鳳凰院凶真復活なんてエモエモのエモに決まってるんだから、もうちょっと盛れたんじゃないの?
バッドエンドよい。もう勘弁してくれってぐらいバッド。暗い世界だからこれぐらいやってくれんとね。
一方でTrueエンド不完全燃焼。なるほどこうなるのねへぇ~。で終了した。
いくらでも熱くできる素材はあるのに、全体的に話をサクサク進めちゃって肩透かしを食らい続けるカンジ。
電脳牧瀬かわいい。対話エージェントってこうあるべきだよねって感じ。
A.I.C.O. Incarnation
ネットフリックスオリジナルアニメ。ネットフリックスに面白いアニメめっちゃ作って欲しいので見た。
人造ボディの女子高生が暴走した人工細胞を治める話。
SFやるんなら、新しい解釈とか技術とか入れて欲しいんだけど、ありがちな世界でありがちな技術が並ぶありがちなSFだったから悲しい。
どうして日本のSFは、SFのフリしてわりと現実世界のテック系ニュースの延長をやるんだ。ボストンダイナミクス感満載のメカが出てきておいおいおいメカデザインぐらいちゃんとやれよ的な。
UIデザインとかバイオな感じとかガルガンティアっぽいな?と思ったらキャラデザが鳴子ハナハルだった。なるほどね。
人工細胞がわしゃわしゃしてる世界で延々と話が進むので基本的に画が汚い。沙耶の唄のぐしゃぐしゃみたいなのが延々出てくる。
あの細胞君たちは何のセンサーで人間を的確に狙い撃つんだろうね。
キングダム
別々の人から3回勧められたので。
秦の始皇帝と一人の武将が中華統一しようとめっちゃ頑張る話。
49巻まで出てるけどまだまだ統一しなさそうにない。
エモい吉川三国志。熱めの絵とセリフがついてくるから10倍ぐらい熱エモい。
政のサイ?の演説ずるい。王様が出てきて、この戦いに負けてたらこの国が滅んでしまう、共に戦おう!って言うってもうそれだけで2億エモぐらいある。
ゲームオブスローンズ以上に色んな勢力の色んな人間が山ほど出てくるけど、誰がどういう人かきちんと覚えてられるぐらいきちんとそれぞれ個性描き分けられててえらい。
王族の末裔から始まる三国志と違って下賤の身分から立身出世が始まるから、一番下から一番上までそれぞれの視点で話が進んでいくから面白い。
一方、どんどん出世しないと天下取れないから、ご都合主義感満載にのし上がってって若干面白みに欠ける。秦の始皇帝が中華統一するって世界史の教科書にネタバレされてつらい。三国志ってあれだけ強そうな面子揃ってもなかなか上手くいかないのがいいよね。
中国の歴史物にしては残酷描写がほどほどなのでわ。漫画だからあんまり酷いのはCENSOREDなんだろうか。
最初はネタキャラかよはいはいとか思ってた王騎がクソかっこいい感じになってめっちゃビビった。他の漫画だと完全にネタ扱いされそうなキャラでもエモ散らかすのが強い。
将軍いいよね。でっかい仕事にビシバシ若手を挑戦させるどころか、若手の成長を考えて仕事振ってたりしてて完全に日本の多くの上司は見習ってほしい。
武勲いいよね。活躍したら活躍した分だけきちんと褒賞もらえてうらやましい。完全に日本の多くの人事部は見習ってほしい。
ビジョンいいよね。各国の宰相とか王が、どういう未来の在り方がいいかを考え、そこに向かって全力で進んでいく感じ。完全に日本の多くの経営者は見習ってほしい。
よい漫画。
月は無慈悲な夜の女王
名作SFだというので。
月に住んでる人たちが革命して地球から独立しようとするお話。
まごうことなき名作。
革命ってめちゃんこエモいんだけど、そこのエモさプッシュはそこそこに、月の生活とか、男女比が偏った社会での生活の在り方とか、月で独立しようとしたら本当に何が起きるのかみたいな考察重点。
心理描写とかエモ描写をぐいぐいすっ飛ばすからむしろ物足りないまである。
とんでも技術も出てこないので、マジでScience Fictionしている度が高い。
マイクとかいう強いAIが出てくるけど、書かれた当時の1966年では計算機万能だもんね!なんでもわかるよね!って気持ちだったのが、2018年に読むと確かに機械学習強いもんね!ってなって面白い。
だから作中ではなんでも答えられることとか、人間みたいな会話ができることとかよりも本物の人間に似せた声が出せること、本物の人間に似せた映像が作れることが難しいとされててうける。
"Operation Hard Rock"とかかっこよすぎるでしょ…
キリのいい緯度経度で同時爆破させるの、エヴァ新劇Qのこれの元ネタなんやね。
訳が古いのか、英語直訳なのかは知らんが修飾子のかかりかたがややこしい。読みづれえ。
夏への扉と同様、科学技術最高!っていうスタンスは変わらないんですね。ハインライン先生のスタンスなんだろうか。が、ご都合主義度合いが低く、夏への扉ほどの鼻に付く科学技術万歳じゃないので特に困ることはない。
読むべき。
それでもボクはやってない
痴漢冤罪で拘置所に突っ込まれたお兄さんが冤罪を晴らそうと頑張るお話。
拘置所の様子とか裁判の手順とか視覚で理解できて勉強になりますね。
刑事事件を冤罪と判決するのは検事、ひいては国家権力の否定だから出世がどうのこうのみたいな話が出てきたりして、さっさと人工知能裁判官作ろうぜ。
日本の行政と司法が抱える問題をドキュメンタリーチックに説明しするめっちゃ真面目な映画なのに、タイトルからたまにバラエティ番組でネタにされたりするのサイアク。
はいじゃないがとか、三毛別の熊とか、ネタにすると人間性を疑われるものがあるがその一環。
奇跡の無罪をやるんじゃなくて、ありそうな有罪できちんと話を進めるのがえらい。が、やるならとことん胸糞悪くして欲しいから、最後に主人公は項垂れて無気力になってそのまま有罪になって欲しい。
とはいえ女子中学生に満員電車で正面からとか怖すぎてやらんよなぁ…