横浜駅SF

自己増殖する横浜駅が日本本土を覆いつくしてしまったお話。

人口建造物フェティシズム的にはかなりアツいのではないか。富士山を覆うエスカレーター、谷を跨ぐ無数の連絡通路、甲府盆地にそびえる層状の横浜駅

BLAME!とかシドニアとかの立体構造フェチSFに通じるところがある。画力のすごい人が漫画にすると、完全に最高な漫画になるに違いない。

新しすぎる概念が1ページごとに出てきてすげえ。が、ベースは現代に実在するものなのですんなり通って読みやすい。新感覚。

マッドエンジニアのジャージのおねいさんとか、電光掲示板で会話するヒューマノイドとか、エモいに決まってるキャラぼんぼん投下するからエモい。

個人的には少女アンドロイドに頼らなくても十分戦えるだけのエモ力があるのだから、横浜駅一本で勝負してほしかった。

やはり日本の近未来SFにはGPSの話がでてくる。

JR福岡のおっさんはいまいち何がやりたいのかわからんし、登場させる必要性があったのかもいまいち。合理的であることが全てだと言っているのにあまり合理的に動いているように見えない。横浜駅との対立勢力とか、荒廃した地域とか歩かせたかったんだろうけど、話のつなげ方が少々無理やり感。リニアが四国に繋がっているというのも解せん。

JR統合地生体が万能すぎてずるい。とりあえずAIだから何でもできるでしょっていうのはずるい。

そこらへんのSFよりばっちりSFしてて良い。

読者も横浜駅をぶっ潰したくなるほどのディストピアを見せてから横浜駅を潰す決断をしてくれ。

エネルギーも生産設備も心配せずに生きていける横浜駅最高でしょ。