悪夢のエレベーター

だからどうして邦画のジャケはクソダサいのか。見る気マイナス六億。

こちらはね、よくある感じの邦画。

エレベーターに閉じ込められたおにいさんがどうしたどうした!??ってお話。

5億拾って、趣味で訳の分からん探偵業やりてえよね。

でてくるゴス女の子が本当にザ・邦画みたいな女優さんで邦画を感じる。

最初に「人生をどれだけ真面目に戦ってるやつがいるんだ…」とか言って、そういう系のテーマの映画なのかな?と思っていたら普通に密室サスペンスみたいなこと始めたりしてうける。

最初のアレ本当になんだったんだ?

お話自体はおおっ?おっ?おおお?ってなる感じでよろしい。が、なんでも精神疾患のせいにしてしまうのはどうもいただけませんね。

すっごいフランクに人死ぬからいまいちサスペンス的盛り上がりに欠けるやんね。

ザ・邦画みたいなシュールさをプッシュした笑いを取りに来てああ、はいはい。ってカンジ。

シリアスなところを無駄にコミカルにしてビビらせるところをきちんとビビらせきらないのなんなん。

なんなん。

鍵泥棒のメソッド

超久しぶりに邦画。

邦画のジャケはどうしてこうも見る気を無くさせるのか。

売れない役者と殺し屋が入れ替わる話。

堺雅人香川照之がすごい級芝居をする。この組み合わせってよくよく考えたら半沢直樹じゃんね。安心と信頼の演技派。

今、あー半沢直樹ね。流行ってたよネ。とか思ったでしょ。それだけじゃないんだ。

脚本がめちゃくちゃきちんとしている。ザ・エンターテイメント。掴みも良し、展開も良し、オチも良し、余韻も良し。内田けんじとかいう人えらい。

真面目眼鏡広末涼子かわいい。

日本の映画のギャグだいたいしんどいんだけど、間と画と内容がきちんと笑いを取りに来てくれる。えらい。本当にえらい。

もうなんかべた褒めしかしてないけど、本当にdisるところがないからしょうがない。

邦画とかしょうもねぇ…と思っている人はこの映画を見てからしょうもねぇ…って言ってください。

僕は邦画しょうもねぇ…と思ってましたが、いい邦画はいいじゃんに変わりました。

横浜駅SF

自己増殖する横浜駅が日本本土を覆いつくしてしまったお話。

人口建造物フェティシズム的にはかなりアツいのではないか。富士山を覆うエスカレーター、谷を跨ぐ無数の連絡通路、甲府盆地にそびえる層状の横浜駅

BLAME!とかシドニアとかの立体構造フェチSFに通じるところがある。画力のすごい人が漫画にすると、完全に最高な漫画になるに違いない。

新しすぎる概念が1ページごとに出てきてすげえ。が、ベースは現代に実在するものなのですんなり通って読みやすい。新感覚。

マッドエンジニアのジャージのおねいさんとか、電光掲示板で会話するヒューマノイドとか、エモいに決まってるキャラぼんぼん投下するからエモい。

個人的には少女アンドロイドに頼らなくても十分戦えるだけのエモ力があるのだから、横浜駅一本で勝負してほしかった。

やはり日本の近未来SFにはGPSの話がでてくる。

JR福岡のおっさんはいまいち何がやりたいのかわからんし、登場させる必要性があったのかもいまいち。合理的であることが全てだと言っているのにあまり合理的に動いているように見えない。横浜駅との対立勢力とか、荒廃した地域とか歩かせたかったんだろうけど、話のつなげ方が少々無理やり感。リニアが四国に繋がっているというのも解せん。

JR統合地生体が万能すぎてずるい。とりあえずAIだから何でもできるでしょっていうのはずるい。

そこらへんのSFよりばっちりSFしてて良い。

読者も横浜駅をぶっ潰したくなるほどのディストピアを見せてから横浜駅を潰す決断をしてくれ。

エネルギーも生産設備も心配せずに生きていける横浜駅最高でしょ。

セッション

LA LA LANDの監督の前作と聞いて。Huluにあった。

ハゲの激スパルタ教授の指導の下、グレートになりたい若きドラマーのおはなし。スポ魂音楽バトル映画。

音楽の世界とか、本当にトッププレイヤーじゃないと食っていけなさそうで辛そうですね。知り合いの音大出も普通に音楽教室と奏者かけもつんス…とか言ってるのみると、こういう世界もあながち間違いじゃないんじゃないのって気持ちになる。

こういう世界一位を狙う職人の世界と比べたら、きちんと背景理解して、考えて、実験して、結果出せば評価される科学の世界っていいよね。みたいな。

ステージライトをバックにどーんってハゲスパルタ教授が出てくるところがすごい。下手なホラー映画よりも怖い。

血と汗を拭きだしながら大勢の観衆の前で本気で殴り合う主人公とハゲ教授の死闘は圧巻。狂気的なぐらいに全力を尽くす様子がめっちゃ演じられている。

ニーマンに二回に分けてカメラが寄ってくる演出の真打ち登場!感がめちゃエモ。

悔しかったら勝ち取れ!力こそパワーだ!みたいな監督の人生観がこれでもかと詰め込まれた根性映画。

LA LA LAND

ハリウッドで女優志望とジャズピアニストが恋するおはなし。

夢追い人を応援!みたいな。

高校生とかが見て、おわー!夢!完全に追います!!みたいにテンションが上がる分にはとても良い映画。

が、20も後半に差し掛かって、夢追ってんならひとつやふたつぐらい成し遂げとかないと、な年頃の人が見て、やっぱり夢追わないとね!とか言ってんなら世話がない。

冒頭の高速道路のシーンだけはやたら力入ってておおお!と思うけど、他のところは大体マジックアワーの絵の強さだけでごり押してる感じがしてHmmm...

話の流れ雑じゃね?大根役者じゃなかったん?5年でいろいろ起きすぎやん?

アカデミー賞で総なめらしいんだけど、どこのどの辺が超ナイスなのか説明してくれる動画がほしい。

ジャズは客と奏者が殺しあうぐらいじゃないと!とか吉野家コピペみたいなこと言ってるジャズピアニストが、結構普通のピアノ弾いてるんだけどいいの?

パーティーのシーンとかが本場のパーティー力を感じて、ほえーこれが本場ですか…という気持ちになる。

なんかもうビョークが汽車のリズムとか工場の機械のリズムとかでミュージカルやっちゃうと、もうなにもが霞んで見えてしまわんこともない。

パシフィックリム

突然湧きだしたKAIJUをマシン兵器で殴り殺す。

当時日本にこれがなんでできなかったんだ!!!みたいな感想がチラホラ見受けられたような気がするけど、これ完全にハリウッドスタイルじゃんね。

でっかい核融合炉を積んだヒューマノイドロボット。わかってる。

主人公とヒロインの二人乗り。わかってる。

ユーザーインタフェースは広々として洗練された機械式モーションキャプチャーシステム。わかってない。

謎の怪獣臓器裏取引屋がカッコいい。

基本的にレーザーも爆弾も、銃も刃物も使わずに、でっかいロボットででっかい怪獣を殴り殺す。これは哲学や!と思って見続けていたら、結局核で怪獣世界ぶっ殺してなんじゃそりゃ。全部のロボット兵器で入り口を押し潰すぜ!ぐらいやってほしかった。

右脳と左脳で役割分けるぜ!とか言ってるけど、右脳のスペシャリストと左脳のスペシャリスト用意したほうがパフォーマンス出せません?双子とか使ってていいんですのん?

サイバー中華街が出てくるから+100点。

タクシードライバー

ニューヨークの狂ったタクシードライバーの話。1976年の映画らしい。

ガスコンロで腕をあぶる筋トレシーンがめちゃ有名だったので。

めちゃくちゃ名作として扱われているけど、当時においてげつない名作だけど、今日ではリスペクトされすぎて、現代人が見ると大したことなく見えるパターンの映画だと思う。

ニコニコ技術部みたいな手製の仕込み銃作って鏡の前で超ドヤ顔でYou talking to me?ってやってるロバートデニーロ、完全にアメリカ製邪気眼でしょ。僕もやりてえ。

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自分の価値観で全部正そうとして、ごんごん人殺しまくる主人公が完全に英雄症候群ではないの。

最後の長回しの屋上からずいーっと撮る画、いかにも新手法でしょ!この撮り方新しいでしょ!どうどう!??って感じがしてクドい。

BGMでかかってるファーってラッパはよい。